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Archive for 1月, 2009

文系のための真空管入門

木曜日, 1月 29th, 2009
こんにちは、 真空管専門店 ヴィンテージサウンド 代表の佐々木です。 

真空管等の電子工学の理解には、電気数学の知識が不可欠なのですが、真空管で音楽を楽しむぶんには小難しい理論などもちろん必要ありません。

電圧が電流がどうのこうのは、むしろ野暮というものです。

が、こう言ってしまっては身も蓋もありません。

折角、真空管に巡りあえたのですから、文系の方にも「真空管ってこうなってるんだあ〜」というイメージだけでも持っていだけるよう本テーマを選びました。

まずは、恒例のBGMとそれを奏でる真空管、そして今回からは執筆場所と一緒に飲んでいるドリンクもご紹介します。

執筆場所

VINTAGE SOUND OFFICE

 

今日のドリンク

  • カテゴリ レギュラーコーヒー
  • 温度 HOT
  • 豆 スターバックス エスプレッソロースト
  • 点て方 紙フィルタードリップ
  • 特徴 カラメルのような甘いアロマと濃さが魅力で、最近のお気に入りです。

 

今日のBGM

  • アーティスト  BILLY JOEL(ビリー・ジョエル)
  • タイトル PIANO MAN THE VERY BEST OF BILLY JOEL
  • レーベル SONY MUSIC MHCP 553

 

ピアノ・マン:ザ・ヴェリー・ベスト・オブ・ビリー・ジョエル

今日の真空管

これらの真空管でBGMを実際に聴きながら書いています。

  • パワー管  KT88 JJ マッチドクワッド4本 スロバキア共和国製
  • プリ管    12AU7 RCA クリアトップ/サイドゲッター マッチドクワッド4本

KT88 JJ クリアクワッド4本

KT88 JJは、スロバキア共和国製で、クリスタルガラス工芸が上手い国ならではの丁寧な作りと、TESLA譲りの信頼性の高さに定評がある真空管です。サウンド傾向もジャンルを問わない華やかさが特徴です。

外観スペック

  • 管全高 113mm
  • 管実効高 101mm(ハカマ下面〜管頂面)
  • ガラス部径 52mm
  • ハカマ径 41mm
  • ハカマ色 シルバー 
  • ガラス部プリント 「JJ KT88」ロゴ
  • ハカマ部プリント 無し 
  • ゲッター形状 4連リング
  • ゲッター位置 頂部
  • プレート形状 3穴断面コ字 張り合わせスポット溶接(ウイング付)
  • 重量 100g/本  
  • 箱サイズ 56×56×132mm

試聴レポート

ビリージョエルの透き通った声にさらに磨きがかかり、高域の伸びがすばらしい。彼の演奏によるピアノのアタック感が心地良く、ピアノの高音がきらきらしている。

私は、2008年11月18日の東京ドーム公演で初めてビリージョエルのピアノと歌声を生で聴きました。

ビリージョエルコンサート
【コンサート会場で入手したTシャツ】

ビリージョエルのピアノ生演奏は、迫力と繊細さを兼ね備えており、とにも、かくにも、美しい旋律。 曲の前奏に「さくら」(もちろん、日本の名曲)を演奏していましたが、彼が奏でる「さくら」には、会場の皆が日本の美を感じているようで、夢のような時間でした。 もちろん、その美しい旋律に乗せた透明感のある声も絶品の一言でした。

あのときの感動を彷彿させるかのようなサウンドがKT88 JJから流れています。

それでは、気分が乗ってきましたので本題にいくとしましょう。

 

文系のための真空管入門 part1 プリ管編

文系のための真空管入門1
【3本のうちどれがプリ管でしょうか?】

真空管と一口でいっても、機能面で分類すると数十種類にも及びます。テレビのブラウン管も真空管の一種です。

そのうち、 ギター真空管アンプおよびオーディオ真空管アンプでは、三種の神器として「プリ管」、「パワー管」および「整流管」が使われます。

これら三種類だけを知っていれば、アンプについて十分に語ることができます。

実際のプリ管は、上の画像の10(左側)で、電圧増幅管とも呼ばれています。一般的には、パワー管および整流管に比して、プリ管のサイズが小さいので容易に判別することができます。 画像のプリ管10は、12AX7という代表的な規格で、ブランドがTUNG-SOL(タングソル)です。サイズは、親指ほどです。

ここで、プリ管の役目は、エレキギターやCDプレイヤでピックアップされた音楽信号の電圧を増幅することです。 音楽信号は、非常に微弱なレベルの信号であるため、スピーカを鳴らすだけのエネルギは全くありません。そこで活躍するのが、プリ管という訳です。

音楽信号における増幅の原理は、川の流れに例えるとわかりやすくなります。川は、源流→上流→下流→海という経路で流れ、下流にいくほど水量が増えます。音楽信号の増幅も上流から下流にいくに従って、レベル、パワーが段階的に増加してゆきます。 各要素の対応関係はつぎのようになります。 しっかりとイメージしてください。このイメージができればあとはカンタンです。

川の流れ→音楽信号の流れ 水量→音楽信号のレベル(大きさ) 源流→エレキギターやCDプレーヤ 上流→プリ管 下流→パワー管 海→スピーカ つぎに、音楽信号の増幅動作について説明します。 エレキギターやCDプレイヤ(源流)で微弱な音楽信号がピックアップされると、この音楽信号は、プリ管(上流)で所定のレベルにまで増幅される。

【ここでのポイント】 プリ管で増幅された音楽信号では、パワーが足りないためスピーカを鳴らすことはできない。

【ちょっとレベルアップ】
電気理論では、音楽信号は電圧と電流で表現されますが、プリ管は、音楽信号の電圧だけを増幅して、電流は増幅しないと大まかに考えてください。 スピーカを鳴らすためのパワー(電力)は、音楽信号の「電圧」と「電流」のかけ算で表されます。 プリ管では、電圧が高いのですが、電流が低すぎるため、パワーが足りないのです。スピーカを鳴らすためには、電流も増幅しなければなりませんが、プリ管には、その能力がありません。 プリ管は、静電気に似ています。静電気は、数キロボルトという超高電圧なのですが、電流がほとんど流れません。ですから、静電気でパチっとしても、電流が流れないため、感電死することはありません。実は、静電気は、圧倒的にパワー不足なのです。

話を戻し、プリ管で増幅された音楽信号は、パワー管(下流)で増幅される。パワー管では、電圧に加えて電流も増幅されるため、パワー管から出力される音楽信号は、十分なパワーを有している。

そして、この音楽信号がスピーカ(海)のボイスコイルに流れ、スピーカでは、音楽信号が空気振動に変換されることにより、音楽が再生される。

【ここでのポイント】 パワー管で増幅された音楽信号は、十分なパワーを備えているためスピーカを鳴らすことができる。

【ちょっとレベルアップ】
パワー管は、音楽信号の電圧および電流を増幅します。音楽信号のエネルギを表す電力Pは、電流をI、電圧をVとするとつぎの式で表されます。 P=V・I 電圧Vが大きくても、電流Iが小さいと、パワーが低いため、スピーカーを駆動するのに必要な電力が不足します。そこで登場するのが、パワー管です。パワー管は、プリ管に比して、電流が多く流れますので、熱に強い堅牢な構造とされており、サイズも大きくなります。

ところで、なぜ、プリ管と呼ばれているのでしょうか。ヒントは、「プリ」(Pre-)です。プリは、「〜の前」という意味で用いられますが、この場合には、プリアンプ(Preamplifier)のことを指します。 プリアンプは、電気回路的にメインアンプ(パワーアンプともいう)の前に置かれるアンプで前置増幅器とも呼ばれています。この流れで、「プリアンプに使われる真空管」ということで、プリ管と呼称されています。

CDプレイヤをパワーアンプに直接つないでも、スピーカーからは、まともに音が出ません。パワーアンプに入力される音楽信号のレベルが低すぎるからです。 そこで、CDプレイヤとパワーアンプとの間にプリアンプを介挿すると、プリアンプで音楽信号が、パワーアンプで必要なレベルにまで増幅されるため、パワーアンプで電力増幅されスピーカーから大音量が出力されるのです。 高速道路において、パーキングから本線をつなぐ助走道路がプリアンプに該当します。パーキングから出ていきなり0→100km/hに加速するのが無理なことと同じです。

プリ管12AX7 TUNG SOLの構成

プリ管

プリ管の動作を大まかに把握したら、次は、構成です。

ここでは趣を変えて、その昔、私が仕事として毎日書いていた特許明細書風に説明してみましょう。特許業界では「構造モノ」の説明の仕方です。 実際の特許明細書では、もっと多くの符号を使って微に入り細に入り説明しなければなりませんが、今回は、上記画像において主な構成要素のみに符号を付けて、簡潔に説明します。

上記画像のプリ管10(Twin Triode)において、ピン11(Base Pin)は、9本の棒状導体であって、円周上に所定角度をもって等角配置されるように底部に垂設されている。これらのピン11は、プリ管10内部の各電極と電気的に接続されており、使用時に真空管ソケット(図示略)に挿通される。 第1プレート12a(First Plate)および第2プレート12b(Second Plate)は、プリ管10の内部であって、中心軸に沿って平行配設された電極であり、ピン11のうち所定の2本のピンと電気的に接続されている。第1絶縁支持板13(First Insulating Spacer)および第2絶縁支持板14(Second Insulating Speacer)は、絶縁性を有するマイカからなる略円板状部材であり、各周縁部がプリ管10の内周面に接するように配設されている。これらの第1絶縁支持板12および第2絶縁支持板14は、プリ管10の軸方向に対して直角をなし、かつ第1プレート12aおよび第2プレート12を挟持するように対向配設されている。 ゲッター部材15(Getter Material)は、バリウム等の金属が円環状に形成されてなり、支持部材を介して第2絶縁支持板14の上方に平行をなすように設けられている。ゲッター16(Getter)は、ゲッター部材15への高周波加熱により頂部17の内周面に形成された金属皮膜であり、プリ管10内部で発生するガスを吸収する役目をしている。プリ管10の構成の説明は以上ですが、文章のあちらこちらに表現のテクニックがちりばめられているのがお分かりでしょうか。一見すると簡単なようですが、特許業界では、文章だけから逆に図面(画像)を描けるような正確さをもって表現することが求められ、このような文章を書けるようになるまで少なくとも3年はかかります。

いつか機会を設けて、特許業界についても書いてみようと思います。 ここで、ぜひ覚えていただきたいプリ管10の特徴があります。上記の説明で何か気づいたことがありますか。

もうおわかりですね。 プリ管10は、第1プレート12a第2プレート12bという2つのプレートを有した構成とされております。プレートは、真空管の心臓部にあたる部分で、心臓部というくらいですから、本来、1つの真空管に1つのプレートが標準装備のはずです。 ところが、プリ管10には、2つものプレートがあります。2本の真空管を1本にしたような二個一で、画像の第1プレート12aと第2プレート12bとは、まるでお母さんのおなかの中の双子のようにも見えます。

このような双子構造のプリ管は、「双極管」(正確には双三極管:Twin Triode)と呼ばれております。 なお、双子といっても、第1プレート12aと第2プレート12bとは、電気的に独立して動作します。

【ここでのポイント】 プリ管には、双子の構造をしたプレートが2つある。つまり、真空管2本を1本にした二個一構造だ。

つぎにプリ管にとって最も重要な要素について説明いたします。これを知らないと、サウンドデザイン上の致命傷となります。 プリ管を電気的に測定すると、ゲイン(増幅度)、相互コンダクタンス等の様々な電気的特性を数値で知ることができ、この数値に基づいて、プリ管の良否を定量的に判定することができます。 ここでは、プリ管の電気的特性として最も重要なゲインに絞って説明します。

 

プリ管のゲインは、プレート毎に測定されます。 言い換えると、 プレート1つにつき、1つのゲインが測定されます。

 

従って、上述した画像のプリ管10を測定すると、第1プレート12aのゲイン(以下、第1ゲインと称する)と、第2プレート12bのゲイン(以下、第2ゲインと称する)という2つのゲインが得られます。 ここで注意すべきは、第1ゲインと第2ゲインは、同値ではなく、差がある場合がほとんどであるという点です。差の程度もプリ管毎にバラツキがあります。

バラツキの具体例は、後のテーマで詳述いたしますが、実測するとそのバラツキに驚きます。 例えば、プリ管の代表格12AX7のゲインは、「100」と信じられているようですが、これは、理想ゲインであって、現実には、80〜115くらいの幅にばらついて分布しているのが普通です。

どの世界でも、理想と現実は大きくかけ離れているもので、真空管の世界も例外ではありません。

上述した画像のプリ管10の例に当てはめると、第1プレート12aの第1ゲインが90、第2プレート12bの第2ゲインが110という差が20なんてことも普通にあります。

第1プレート12aと第2プレート12bとは、一卵性双生児のように見た目は同じですが、性格(ゲイン)が違うのです。

もちろん、両ゲインの差が0や、1か2というものもありますが、このように差が少ないものは、「双極マッチ」または「双極マッチド」と呼ばれ、全体に占める割合は非常に少なくプリ管の中のサラブレッドと言うことができます。

一卵性双生児の例ですと、見た目も性格(ゲイン)も同じというケースに該当します。

  • 【ここでのポイント1】 プリ管は外見が同じでも、電気的特性(ゲイン)の個体差が大きい。
  • 【ここでのポイント2】 プリ管からは、2つのゲインが測定できる。 2つのゲインにバラツキがあるのがほとんどである。
  • 【ここでのポイント3】 プリ管は、まるで一卵性双生児のようで、二種類のタイプが存在する。 1つ目は、一卵性双生児で外見一緒だが、性格(ゲイン)が別のタイプ。 2つ目は、一卵性双生児で外見も性格(ゲイン)も一緒のタイプ。

なぜ、バラツキがでるのかというと、理由は明快で、第1プレート12aと第2プレート12bとの機械的構造を寸分の狂いもなく製造することが難しいからです。手作り品のため、見た目が同じでも、第1プレート12aと第2プレート12bとは、寸法が微妙に違うのです。

第1プレート12aと第2プレート12bとの機械的誤差が、電気的特性(ゲイン)の誤差として表れるのです。 実に判りやすい! プリ管におけるゲインのバラツキは、サウンドデザインに大きな悪影響を与えます。詳細については、日を改めてご説明しますが、ちょっとだけ、ヒント。

あなたの真空管アンプに2本のプリ管(12AX7)が実装されており、左右スピーカに対応しているとします。2本のうち、左スピーカに対応する12AX7のゲインが低く、右スピーカに対応する12AX7のゲインが高かったらどのように聞こえますか。もうおわかりでしょう。 残念ながらゲインは、見た目では絶対にわかりません。専用の測定器で測定するしか知る術はありません。

 

現行品 プリ管

現行プリ管
画像左から 12AT7EH 12AU7 EH 12AX7 EH 6SL7GT TUNG-SOL 6SN7GT TUNG-SOL

つぎに、現行品の中から5種類のプリ管をご紹介しましょう。 これらの5種類のプリ管は、すべて双極管構造(いわゆる一卵性双生児)となっており、1本につき2つのゲインが測定されます。 左から1本目〜3本目は、見た目も同じですが、12AX7,12AU7,12AX7という具合に規格(理想ゲイン)が異なりますので、互換性はありません。 左から4本目および5本目は、他よりもサイズが大きいのですが、これらもプリ管です。

 

米国系ヴィンテージ管 プリ管12AX7

ヴィンテージ プリ管1
画像の左から 12AX7A RCA 12AX7 GE 12AX7 Kinsman(GE製) 12AX7 SYLVANIA

1920〜1980年代にかけて製造された真空管は、ヴィンテージ管と称され、特に、真空管全盛期(1940〜1960年代)のヴィンテージ管は、サウンドの良さと希少性から人気、価格が共に高く、年々高騰しています。 真空管全体からにじみ出る風格、雰囲気は、現行品にはない魅力的なもので、人々を引きつけてやみません。

当時一流の職人魂が時を経て、見る者に訴えかけてくるようです。 ヴィンテージ管のピンと、現行品のピンとを見比べてください。ヴィンテージ管のピンが、チタンマフラーのように七色になっているのがわかりますか。 上記画像の4本は、米国系ブランドのヴィンテージ管です。

 

欧州系ヴィンテージ管 プリ管12AX7

ヴィンテージ プリ管2
画像の左から ECC83/12AX7 Telefunken(テレフンケン 独国) ECC83/12AX7 Mullard(ムラード 英国) M8136 Mullard(ムラード 英国) ECC83/12AX7 Amperex(アンペレックス 和蘭国) 通称 Burgle Boy(笛吹童子)

上記画像の4本は、欧州系ブランドのヴィンテージ管です。米国系ブランドとは、作りが異なるため、サウンドも別傾向となります。

 

米国系ヴィンテージ管 プリ管6SN7GT,6SL7GT

ヴィンテージ プリ管3
画像の左から 6SN7GT RCA 初期ブラックプレート 6SL7GT GE グレープレート 上記画像の2本は、米国系ブランドのヴィンテージ管です。

 

文系のための真空管入門 part2 パワー管編

文系のための真空管入門2
【3本のうちどれがパワー管でしょうか?】

もうおわかりでしょう。 パワー管は、上の画像の20(中央)で、電力増幅管とも呼ばれています。一般的には、プリ管や整流管よりもサイズが大きく、真空管アンプで最も目立つ位置(いわゆるセンター)に実装されていますのでカンタンに見つけることができます。 画像のパワー管20は、パワー管の中でもEL34と人気を二分するKT88という規格で、ブランドがGOLD LION(ゴールドライオン)です。

サイズは、握り拳ほどです。 復習になりますが、パワー管の役目は、前述したように、プリ管で増幅された音楽信号の電圧および電流を増幅し、スピーカーを駆動することでしたね。

 

パワー管KT88 GOLD LIONの構成

パワー管
つぎは、パワー管の構成です。 パワー管もプリ管も基本的な構成はほとんど同じですが、決定的に違う点があります。 それは、プレートの数です。 プリ管は、1本あたりプレートが2つでしたが、一般的には、パワー管は、プレートが1つです。

【ここでのポイント】 プリ管は、プレートが2つもあるが、 パワー管は、プレートが1つしかない

パワー管についても、特許明細書風に構成を説明してみましょう。

上記画像のパワー管20(Power Tube)において、ピン21(Base Pin)は、7本の棒状導体であって、円周上に所定角度をもって等角配置されるようにハカマ22(Base)の底部に垂設されている。これらのピン21は、パワー管20内部の各電極と電気的に接続されており、使用時に真空管ソケット(図示略)に挿通される。 プレート23(Plate)は、パワー管20の内部であって、中心軸に沿って配設された電極であり、ピン21のうち所定の1本のピンと電気的に接続されている。 第1絶縁支持板24(First Insulating Spacer)および第2絶縁支持板25(Second Insulating Speacer)は、絶縁性を有するマイカからなる略円板状部材であり、各周縁部がパワー管20の内周面に接するように配設されている。これらの第1絶縁支持板24および第2絶縁支持板25は、パワー管20の軸方向に対して直角をなし、かつプレート23を挟持するように対向配設されている。 ゲッター26(Getter)は、ゲッター部材(図示略)への高周波加熱によりパワー管20の頂部の内周面に形成された金属皮膜であり、パワー管20内部で発生するガスを吸収する役目をしている。上記ゲッター部材(図示略)は、バリウム等の金属が円環状に形成されてなり、支持部材を介して第2絶縁支持板25の上方に平行をなすように設けられている。ここで、パワー管を電気的に測定すると、プレート電流、相互コンダクタンス等の様々な電気的特性を数値で知ることができ、この数値に基づいて、前述したプリ管と同様に、パワー管の良否を定量的に判定することができます。 プリ管では、ゲインが重要であるのに対して、パワー管では、プレート電流が重要となります。

 

【ここでのポイント】 パワー管では、電気的特性としてプレート電流が重要だ。

また、パワー管の場合には、プレートが1つしかありませんので、パワー管1本につきプレート電流は1つしか得られません。従って、2つのゲインを測定しなければならないプリ管よりも、パワー管のほうが、測定に手間も時間もかかりません。

 

【ここでのポイント】 パワー管では、1本につき1つのプレート電流が測定される。

ここで気になるのが、パワー管におけるプレート電流の個体差です。 もちろん、プリ管のゲインと同様に、パワー管にも個体差が存在します。理由は、機械的構造の精度が、同一規格であってもパワー管毎に違うからです。 例えば、上記画像のパワー管20が100本あるとしましょう。もちろん、これらの100本は、外見が同じですので、見た目で区別がつきません。

これら100本に対して、同一の測定条件で各プレート電流を測定すると、100個のプレート電流の各数値が得られます。パワー管1本につき、1つのプレート電流でしたね。 100個のプレート電流を検証すると、ゲインと同様にバラツキが必ず出ます。 例えば、つぎのような測定結果が得られます。

  • 1本目  プレート電流→20.5mA(電流の単位でミリアンペアと読む)
  • 2本目  プレート電流→36.5mA
  • 3本目  プレート電流→40.4mA
  • ・ ・ ・
  • 98本目 プレート電流→25.5mA
  • 99本目 プレート電流→19.9mA
  • 100本目 プレート電流→28.2mA

上記測定結果において、1本目と3本目は、外見は同じであっても、プレート電流に関して、実に2倍もの差があります。このような測定結果は、別に珍しいことではなく、普通に起こる現象です。プレート電流の大小によっても、サウンドが変化しますので、これを無視してサウンドデザインを語ることはできません。

いわゆるマッチドペアというのは、100本の中から、電気的特性(上記ではプレート電流)の誤差が小さいもの2本を選別したものを指します。 ここで注意すべきは、ペアといっても、どのような条件で測定し、どのような条件で選別したかにより、ペアの精度は千差万別となります。

この選別精度が甘いと、誤差が大きい「なんちゃってペア」となり、堂々と販売されているケースも見受けられます。なお、真空管の測定や精度、選別方法については、別テーマを設けて詳述したいと思います。

 

【ここでのポイント】 パワー管にも、個体差があり、電気的特性(プレート電流等)にバラツキがある。

パワー管におけるプレート電流のバラツキを説明するには、自動車に例えるとわかりやすくなります。 すなわち、 外見が全く同じで区別が付かないクラウンが100台あるとします。但し、エンジンの馬力は、バラバラとします。例えば、1台目は200馬力、2台目は360馬力、3台目は400馬力、・・・・、98台目は250馬力、99台目は190馬力、100台目は280馬力とします。

なお、100台の各重量は同一であるものします。 パワー管と自動車の対応関係はつぎの通りです。

パワー管   →自動車 プレート    →エンジン馬力 測定条件   →アクセル量 プレート電流 →走行速度 そして、100台のクラウンに1台づつ順次試乗し、同一のアクセル量(測定条件)で走行させた場合、エンジン馬力(プレート)の相違により、走行速度(プレート電流)にバラツキが発生します。 以上がパワー管においてプレート電流がバラツく場合の考え方です。

このプレート電流も、プリ管のゲインと同様に、見た目では絶対にわかりません。専用の測定器で測定するしか知る術はありません。

 

【ここでのポイント】 真空管は見た目だけでで判断してはいけません。中身こそ重要なのです。

 

現行品 パワー管

現行パワー管
画像左から 300B JJ 2A3 JJ KT88 JJ 6550C Svetlana Sロゴ 6L6GC Svetlana Sロゴ KT77 GOLD LION 6V6GT TUNG-SOL EL84 GOLDLION

つぎに、現行品の中から8種類のパワー管をご紹介しましょう。

左から1本目および2本目は、直熱管と呼ばれるパワー管で、サイズも大きく、存在感があります。

左から3本目〜8本目は、傍熱管と呼ばれるパワー管です。 パワー管と一口にいっても、サイズがまちまちです。

ちなみに、左から8本目のパワー管は、管高さ以外、前述したプリ管12AX7とほぼ同径で、馴れないと間違うので注意してください。

 

米国系ヴィンテージ管 パワー管

ヴィンテージ パワー管
画像左から KT88 TUNG-SOL 3穴プレート KT88 RCA 無穴プレート 145 Arcturus ペア 青ナス刻印 

パワー管にもヴィンテージ管があります。

右の青ナス(ペア)は、ただただ 美しいの一言です。 上記画像の4本は、米国系ブランドのヴィンテージ管です。

 

文系のための真空管入門 part3 整流管編

文系のための真空管入門3
【3本のうちどれが整流管でしょうか?】

整流管は、上の画像の30(右側)です。この整流管30は、プリ管10と同様に一卵性双生児の構造とされており、1台のアンプに1本が標準的な実装です。 整流管30は、プリ管10と似た構造をしていますが、機能が全く違います。

まさに、別モノです。 整流管30には、グリッドと呼ばれる電極が無いため、プリ管やパワー管のように音楽信号を増幅する機能がありません。整流管30は、交流電源から直流電源を作るための整流作用を有しています。

正確には、整流管30の整流作用は、全波整流作用です。

全波というくらいですから、「半波」という声が聞こえましたが、その通り、あります。その話をすると混乱するので、全波整流ということで続けます。

整流管30は、携帯電話機のACアダプターの役目をしていると考えてもらうとわかりやすいと思います。 プリ管10やパワー管20が音楽信号を扱う音楽屋だとすれば、整流管30は、電源屋です。 ここで、整流管の使用には歴史的な背景があります。

真空管には、直流電源(電池等の電源)が不可欠で、1920年代の真空管ラジオの電源は、大きくて重い電池でした。ところが、真空管の消費電力が大きいため電池を頻繁に交換しなければならず、コストも手間もかかるため、一部の金持ちにしか普及しませんでした。 そこで、注目されたのが、当時、各家庭に普及しつつあった交流電源(今のコンセントAC電源です)です。

この交流電源を真空管アンプに直接使うことはできませんが、整流管を使えば、交流電源から直流電源を作ることができます。これで、重くて高価な電池とは永久におさらばできます。 そして、真空管ラジオに整流管を搭載したモデルが次々と開発され、交流電源さえあれば、一般家庭でもラジオ放送を楽しめるということで、爆発的に普及しました。このように、整流管は、ラジオ放送の普及に重要な役目を果たしたのでした。

なお、真空管アンプによっては、整流管30に代えて、シリコンダイオード等の半導体整流器(ソリッドタイプともいう)が使われている場合がありますので、整流管が見つからなくてもご心配に及びません。

 

整流管 5U4GB EHの構成

整流管

最後は、整流管30の構成です。 整流管もプリ管も基本的な構成はほとんど同じですが、決定的に違う点があります。 それは、整流管には、増幅作用はなく、整流作用がある点です。

【ここでのポイント】 整流管は、プリ管と同様にプレートが2つある。 つまり、一卵性双生児の構成だ。

ものはついでですから、整流管についても、特許明細書風に構成を説明してみましょう。

上記画像の整流管30(Rectifier Tube)において、ピン31(Base Pin)は、5本の棒状導体であって、円周上に所定角度をもって等角配置されるようにハカマ32(Base)の底部に垂設されている。これらのピン31は、整流管30内部の各電極と電気的に接続されており、使用時に真空管ソケット(図示略)に挿通される。 第1プレート33a(First Plate)および第2プレート33b(Second Plate)は、整流管30の内部であって、中心軸に沿って平行配設された電極であり、ピン31のうち所定の2本のピンと電気的に接続されている。 第1絶縁支持板34(First Insulating Spacer)および第2絶縁支持板35(Second Insulating Speacer)は、絶縁性を有するマイカからなる略円板状部材であり、各周縁部が整流管30の内周面に接するように配設されている。これらの第1絶縁支持板34および第2絶縁支持板35は、整流管30の軸方向に対して直角をなし、かつ第1プレート33aおよび第2プレート33bを挟持するように対向配設されている。 ゲッター部材36(Getter Material)は、バリウム等の金属が円環状に形成されてなり、支持部材を介して第2絶縁支持板35の上方に平行をなすように設けられている。ゲッター37(Getter)は、ゲッター部材36への高周波加熱により整流管30の頂部の内周面に形成された金属皮膜であり、整流管30内部で発生するガスを吸収する役目をしている。ここまで来れば、つぎに何を説明するかは容易に予測がつくはずです。

整流管も一卵性双生児だとすれば、「あれ」しかありません。 整流管を電気的に測定すると、電気的特性としてエミッション効率(以下、エミッションと略称する)を数値で知ることができ、このエミッションに基づいて、整流管の良否を定量的に判定することができます。 エミッションとは、カンタンに言えば、整流管30内の電子(マイナスの極性をもった電気のツブ)の放出量です。

真空管アンプの電源をオンにすると、整流管30のヒータがオレンジ色に点灯します。 「真空管の灯を見ていると心が癒されるよな」というあのオレンジ光です。 見ている分には緩やかなときが流れていますが、整流管30内部では大変なことが起こっています。オレンジ色のヒータは、高温になるため、熱電子放出作用により、オレンジ部分からは大量の電子が放出されます。

これらの電子は、マイナスの極性をもっているため、プラスが大好きで、そのプラスの極性をもった例のプレートに向かって一斉に空間を移動します。 この電子流の放出量がエミッションと呼ばれ、この数値が一定値以下になると、その真空管の寿命と判定されます。

 

【ここでのポイント】 整流管では、電気的特性としてエミッションが測定される。

また、整流管のエミッションは、プリ管と同様に、プレート毎に測定されます。 そうです。プレート1つにつき、1つのエミッションが測定されます。

従って、上述した画像の整流管30を測定すると、第1プレート33aのエミッション(以下、第1エミッションと称する)と、第2プレートのエミッション(以下、第2エミッションと称する)という2つのエミッションが得られます。 ここで注意すべきは、第1エミッションと第2エミッションとは、同値ではなく、差がある場合がほとんどであるという点です。差の程度も整流管毎にバラツキがあります。

例えば、整流管のエミッションの最低値は、「800」ですが、実際には、800〜2500くらいの幅でばらついて分布しているのが普通です。 上述した画像の整流管30の例に当てはめると、第1プレート33aの第1エミッションが1500、第2プレート33bの第2エミッションが2000という差が500なんてことも普通にあります。

第1プレート33aと第2プレート33bとは、一卵性双生児のように見た目は同じですが、性格(エミッション)が違うのです。

もちろん、両エミッションの差が数%以内というものもありますが、このように差が少ないものは、「双極マッチ」または「双極マッチド」と呼ばれ、全体に占める割合は非常に少なくプリ管の中のサラブレッドと言うことができます。

一卵性双生児の例ですと、見た目も性格(エミッション)も同じというケースに該当します。

  • 【ここでのポイント1】 整流管は外見が同じでも、電気的特性(エミッション)の個体差が大きい。
  • 【ここでのポイント2】 整流管からは、2つのエミッションが測定できる。 2つのエミッションにバラツキがあるのがほとんどである。
  • 【ここでのポイント3】 整流管も、プリ管と同様に一卵性双生児のようで、二種類のタイプが存在する。 1つ目は、一卵性双生児で外見一緒だが、性格(エミッション)が別のタイプ。 2つ目は、一卵性双生児で外見も性格(エミッション)も一緒のタイプ。

エミッションがバラツく理由は、明快で、第1プレート33aと第2プレート33bとの機械的構造を寸分の狂いもなく製造することが難しいからです。手作り品のため、見た目は一でも、第1プレート33aと第2プレート33bとは、寸法が微妙に違うのです。

第1プレート33aと第2プレート33bとの機械的誤差が、電気的特性(エミッション)の誤差として表れてきます。 この辺の説明は、ゲインをエミッションと読み替えて、プリ管のパクリです。 整流管におけるエミッションのバラツキは、直流電源の質に影響を与え、ひいてはサウンドを左右します。できるだけ、バラツキが少ない整流管を使用することがサウンド改善の基本となります。

整流管のエミッションも、見た目では絶対にわかりません。 もしも、オレンジ色の点灯状態でわかる方がいたらそれは都市伝説です。 専用の測定器で測定するしか知る術はありません。

現行品 整流管

現行整流管
画像左から 5U4G Svetlana Sロゴ 5U4GB EH GZ34 JJ 5AR4 Sovtek 5AR4 TRONAL 5Y3GT Sovtek

つぎに、現行品の中から6種類のプリ管をご紹介しましょう。

これらの6本は、外見が違いますが、全て一卵性双生児の構成をなしており、全波整流作用を有しています。整流管を交換することによっても、サウンドを変化させることができます。 左から1本目は、まるでパワー管のような外見ですが、これもれっきとした整流管です。

 

ヴィンテージ 整流管

ヴィンテージ 整流管
画像左から 5U4GB RAYTHEON 初期ブラックプレート 5U4G RCA 初期ブラックプレート 5Y3GT KEN-RAD 初期ブラックプレート GZ34 Mullard ノコギリプレート ER280 RAYTHEON エンボス ボックスプレート ナス 180 Arcturus 青ナス

整流管にもヴィンテージ管があります。これらのヴィンテージ管も全て一卵性双生児の構成とされており、現行品と機能的になんら変わりはありませんが、ヴィンテージ管ならではのサウンドは格別です。 特に右の2本は、いつまでながめていても飽きません。

 

おまけ ソリッドタイプ 整流器(もはや整流管とは呼びません)

ソリッド整流器

画像は、上述した整流管(5AR4,5U4G,5Y3G等)と差し替えができる整流器で、ガラスを使った真空管ではありませんので、間違っても整流管とは呼ぶことはできません。 この整流器は、前述の画像でピン31とハカマ32からなるような構成でハカマ32の内部にシリコンダイオード(ダイオードブリッジ)を内蔵してなるソリッドタイプです。

整流管から整流器に交換した場合には、各真空管に供給される直流電圧が高めになるため、アンプ出力が高くなり、クリアなサウンドとなります。 逆に、この整流器から整流管に交換した場合には、各真空管に供給される直流電圧が低めになるため、やわらかなサウンドとなります。ギター真空管アンプでは、歪みやすくなります。

以上

2009.1.29

Good music !

    平成21年 大相撲初場所 東京 両国国技館 観戦記

    木曜日, 1月 22nd, 2009
    こんにちは、真空管専門店 ヴィンテージサウンド代表の佐々木です。 

    今日のBGM

    J−WAVE(東京 FM放送)

    今回は、東京駅の丸の内北口を出てすぐの丸の内ホテルで本ブログを執筆しています。当然のことながら真空管アンプは無いのですが、J−WAVEから流れる軽快な洋楽をBGM代わりにしており、非常に気持ちが良い朝です。

    今日は、真空管とはまったく関係の無いテーマですが、大相撲観覧の楽しみ方についてじっくり語りたいと思います。

    これから大相撲観覧に行こうと思っている方はもとより、行ったことがある方にも必見のとっておきの情報をお伝えします。 何を隠そう、私は、大の相撲ファンで、東京場所(1月、5月、9月)は両国国技館に足を運んでおり、年3回の恒例行事となっています。

    かれこれ、20回くらいは行っているハズです。 その流れで、今回は、平成21年初場所11日目を観覧しに両国国技館に行って来ましたので、豊富な画像とともにその様子をレポートします。 それでは、バーチャル相撲観覧ツアーにみなさんをご案内しましょう。

     

    心得

    ハレとケ、聖と俗、ピンとキリというように、物事には、裏表がありますが、大相撲観覧の日は、もちろんハレの日です。朝から身だしなみを整え、とっておきのよそ行きの服装で家を出るところからすべてが始まります。

    気分は、ハレの日モード全開です。これで準備が整いました。 【七味】 おっと、危うく忘れるとことでした。 出かける前に、好みの七味をカバンの中にそっと忍ばせておきましょう。あとできっと役に立つことでしょう。

     

    酒肴と菓子

    東京駅の八重洲口改札を出たら、迷わず大丸デパート東京店(年中無休 10:00-20:00)の地下1階へ直行しましょう。間違っても、両国国技館に直行してはいけません。 私のような左党なら、めざすは、地下1階の酒売場です。ワイン、日本酒、焼酎なんでもござれで、クオリティが高い銘柄が豊富に揃っています。

    しかも、駅ビルということで、列車の旅を想定した商品が充実しています。酒類は、新幹線の中で飲めるような小瓶が主体で、小分けにされた酒肴(珍しいものが多い)もあります。ウイスキー派にはうれしいロック氷(真ん丸く、カップ付き)も販売されております。

    そこで、たとえば、普段飲まない八海山 吟醸(ゴールドひょうたん小瓶)とちょっと高い酒肴を購入しましょう。なんと、いってもハレの日ですから。 ここでのポイントは、決して買い過ぎないことです。酒なら1本、酒肴なら1個がせいぜい。

    国技館にも酒つまみがたくさんありますから、基本は国技館つまみプラスアルファ程度にとどめておくのが粋というものです。 甘党のパートナーもご一緒なら、エレベータで大丸デパート1階に行きましょう。 エスカレータで1階に上がると、和洋を問わず、名だたる菓子銘店がそれこそ軒を連ねてお出迎えしてくれます。

    羊羹の「とらや」、バームクーヘンの「ねんりん家」、ミルフィーユの「銀座 ウエスト」、洋菓子の「マキシム・ド・パリ」 etc. 目移りして、選ぶのに必ず迷うほど、豊富な菓子が所狭しとディスプレイされています。そこで、とっておきの菓子を購入しましょう。

    ハレの日なのですから、自分じゃ決して普段買わないほど贅沢な逸品をセレクトするのがコツです。もちろん、国技館の売店でも菓子は販売されていますが、それじゃあ気分が盛り上がりません。

     

    いざ両国国技館へ

    大丸デパートを出たら、右手にタクシー乗場がありますが、見なかったことにして、大きな通りに出ますから、歩道を渡りましょう。渡りきったところに、タクシーが客待ちで数台停車しているハズです。

    迷わず一番グレードの高い個人タクシーに乗りましょう。

    ここで、タクシー乗場で乗ってはいけない理由は、他の乗客も並びながら順番に乗車するので、乗りたいタクシーを選べないからです。タクシー料金は、個人タクシーでも法人タクシーでも変わりません。

    同じ乗るなら、乗りごごちをが良いのほうがいいですよね。 そして、個人タクシーに乗車し「両国国技館まで」と告げると、車両が動き出し、隅田川にかかる両国橋を通って、左折すると、相撲部屋の陸奥部屋やちゃんこ屋(川崎、霧島等)が車窓から見えます。

    国技館

    さらに、直進すると、右手に、青銅色の四角錐状の屋根が美しい両国国技館、各関取のシコ名と寄贈者の名称が入った複数のノボリ、そして、頂部に太鼓を配した櫓(やぐら)が見えます。もちろん、高見盛関(永谷園贈)のド派手なノボリも見えます。

    櫓にはエレベータが内蔵されており、場所の一日のはじまりを知らせるフレ太鼓(お客さんが国技館に集まる様子を音で表現)と、一日の終わりを知らせるハネ太鼓(お客さんがてんでんばらばらに国技館を後にして帰路につく様子を音で表現、NHK相撲放送で終了間際に流れる太鼓音)を鳴らす場所です。

    国技館の周りには、風呂敷に包んだフンドシをぶら下げながら歩くおすもうさん(あえて、力士とは呼ばないほうが雰囲気が出ます)も見えます。

     

    木戸口

    タクシーを降りたら、横断歩道を渡り、木戸口(入場口)に向かうと、往年の名力士(親方)が出迎えてくれます。木戸口で大相撲観覧券のもぎり(いわゆる切符切)は、やや年配の親方が担当するようです。

    礼儀正しくお願いすれば、握手や写真も気さくに取らせてくれます。この木戸口では、親方の現役時代の四股名を叫ぶお客さんの歓声が聞かれます。そういわれて、親方もまんざらでもない表情を浮かべています。

    実際、親方となると、ファンに握手やら求められる場面が激減します。現役時代にどんなに人気があった力士でも、引退し断髪式を終えたとたんに、ファンの態度がおもしろいくらい一変します。

    声をかけたり、サインを求めたりする光景は、ほとんど見かけられなくなります。 序の口力士がファンに声をかけられている横を元横綱の親方が通り過ぎてゆくという場面もあります。 どこの世界でも現役時代が華ということでしょうか。

     

    お茶屋通り

    お茶屋

    木戸口を抜けたら左方向に入り口がありますので、そこを入ると、画像のように華やかな空間が展開します。

    ここは、左右に軒を連ねる合計20軒のお茶屋さん(正式名称:国技館サービス案内所)で、お弁当、お土産、飲み物等が入った紙袋が所狭しと並べられています。

    ところで袋の中身が気になりませんか? 自腹派と被接待派で中身が違います。 自腹派(私もその一人)は、事前に予算と好みを伝えてありますので、余計なものは入っていません。

    お茶屋さん経由で頼む飲食物は高いと思われているフシがありますが、国技館内の売店とほとんど変わりません。 ただし、お茶屋さんにしか無い飲食物があります。 例えば、冷たいビンビール。 国技館内の売店では、缶ビールしか販売されていません。

    ここで、お茶屋さんに頼んだ場合のプライスをご紹介しましょう。

    <飲み物> 日本酒300ml(大関普通酒) 740円 ビンビール 740円 ウイスキー 1260円 水・ジュース・お茶類 170円

    <食べ物> 幕の内弁当(二重 上) 1580円 幕の内弁当(一重 並) 1100円 笹寿司 1580円 カツサンド 1050円 サンドイッチ 840円 焼き鳥(国技館名物) 600円 そら豆 740円 オードブル 1100円 オレンジ 420円 シュウマイ 480円 むき栗 320円

    <菓子類> 袋菓子 210円 おつまみ 530円 みつ豆 850円 菓子 530円 <おみやげ> 甘栗みやげ 1370円 焼き鳥みやげ 1160円 陶器・みやげセット・ちゃんこ 3150円 煎餅・菓子 2630円 陶器・煎餅・菓子 2100円 チョコ・角力カレー 1260円 チョコ 740円 陶器 530円

    <その他> パンフレット 450円 

    一方、被接待派の袋の中身というと、接待用ですから、それこそ袋に入りきらないほどの品物で溢れています。しかも、酒類は飲み放題が一般的です。

    かくゆう私も、一度だけ被接待派の一員として大相撲観覧をしたことがありますが、2人しかいないにもかかわらず、溢れんばかりの袋が4つ(升席の定員4名)、酒、ビールが飲み放題という夢のような時間が流れました。もちろん、食べ切れませんので、おみやげとして、重い袋を持ち帰った記憶があります。

    話を戻し、お茶屋さんは、大相撲観覧券の手配、観覧席まで案内、飲食の世話をしてくれます。よくテレビ放送で観客席で大きな紙袋をもった着物姿の方が颯爽と移動しているのを見かけますが、その方こそお茶屋さんです。

    お茶屋さん経由で見に行く場合には、相撲観覧券の裏にお茶屋さんの屋号と番号がスタンプされていますので、その番号のお茶屋さんに行き、相撲観覧券を渡してください。

    私は、大和家さん(3番)に毎回お世話になっています。 相撲観覧券の裏にスタンプが無い場合には、茶屋さんは利用できませんので、自力で観覧席に行くか、日本相撲協会のハッピを着た案内係(外国人も多いので英語も堪能)に聞くと親切に案内してくれます。

    観覧席へ案内

    升席

    少し待っていると、右手に熱いお茶が入った急須と、左手に本日の取組表(いわゆるワリ)とを持ったお茶屋さんが「さあどうぞ」と言って、観覧席まで案内してくれます。

    国技館の場合、1階席がタマリ席(土俵際の砂かぶり)、枡席およびボックス席(円卓を囲んだ椅子席)で、2階席が全椅子席および特別席(天覧相撲で皇室、国賓等がおすわりになる席)です。

    私は、ゆっくりと上酒を傾けつつ観覧したい派なので、いつも1階の升席を利用させてもらっています。いつか、タマリ席で見たいと思っていますが、飲食ができませんので、一度も実現したためしがありません。

    1階席の入り口から土俵を見ると、午前中は画像のようにガラガラで壮観な眺めです。この間にも真ん中の土俵上では、序の口の取り組みが行われています。

    ここで、本場所の一日をご紹介すると。

    08時50分 フレ太鼓 序の口取組開始

    14時30分 十両土俵入り 十両取組開始

    15時50分 幕内土俵入り 横綱土俵入り 幕内取組開始

    18時00分 ハネ大鼓 となりますので、

    午前中に入れば、一日相撲を満喫できます。特に、十両土俵入りからは、あっという間に結びの一番まで時間がたってしまうので、館内めぐり、売店めぐり等はその前までに終わらせておきましょう。

    升席事情

    枡席

    升席は、お酒の一合枡のような形をしていることからこう呼ばれています。

    一応、4枚の座布団があり、大人4名用となっていますが、実際、大人4名では、かなりの忍耐力と足シビレナイ力が要求されます。私には到底無理なので、いつも1枡を2名で利用させてもらっています。

     

    枡席到着

    急須

    升席に到着すると、お茶屋さんは、「はい、ここです」と言って、急須と取り組み表を置いてくれますので、そのタイミングで心づけ(ぽち袋に1千円から3千円くらい)をお渡しします。

    画像の左側が急須で、右側が木盆および湯のみ茶碗で、お茶屋さんの番号3と、屋号(大和家)が描かれています。

    座布団にもお茶屋さんの番号が記入されています。 升席に上がり、コート等を脱いで、座布団にすわると、ホッとします。

    現在は、全席禁煙ですが、数年前までは、煙草盆と灰皿が各升席にあり、煙草吸い放題、酒も飲み放題でした。私は、たばこを吸わないので、館内が綺麗な空気で満足しています。

     

    宴はじめ

    やきとり

    そうこうしていると、お茶屋さんが飲み物やお弁当等を持ってきてくれます。画像左が国技館名物のやきとり(もも、つくね)、その右隣が幕の内弁当、奥中央がビンビール(サッポロドラフト)、その右隣が、大丸デパートで調達した八海山ゴールドひょうたんボトルです。

    画像にはありませんが、大丸デパートで調達した酒肴や、連れ用のバームクーヘン等も並べられ宴の準備が整いました。 さあ、乾杯をして宴のはじまりです。相撲を観覧しながらの上酒の味は格別です。 やきとりは、国技館の地下工場で作られた出来たてです。焼き鳥屋の上で相撲をとっているなんて考えたら滑稽な感じがします。

    また、このやきとりは、冷めてもおいしいように、串ごと調味液で下ゆでしたあと、焼かれています。秘伝のやきとりのタレは、2階の売店で販売されています。 売店は、1階と2階にありますが、商品のラインナップが微妙に違うので見ていて飽きません。

    売店には、飲み物(ソフトドリンク、アルコール)、お弁当、つまみ、菓子、アイスクリーム、おみやげグッズ、力士の似顔絵色紙、絵番付、相撲関連本、鬢付け油、力士フィギャア(かなり精巧)、Tシャツ、番付表をきれいに飾るための額などが販売されています。

    本物の番付(よく昇進した力士が自分の四股名を指さしている場面でのあの番付)は、国技館の事務所で50円くらいで販売されています。 なお、売店が込み合いますので、十両力士の土俵入り(14:30)までにおみやげを購入しておくのがポイントです。

    七味

    七味

    やきとりに欠かせないものといえば、七味です。これがあるのとないのとでは、幸せ度が違います。私が大相撲観覧で愛用しているのが、東京浅草のやげん堀の七味と、七味入れ(縁起が良いとされる福ねずみ)です。国技館には、七味が販売されていないので、忘れずに持参してください。これを忘れるとかなり凹みます。

     

    砂かぶり1

    砂かぶり

    十両の土俵入り前(14:30)までならば、土俵際の砂かぶりで自由に観覧できます。砂かぶりは、土俵の砂が飛んできたり、力士が落ちてきたり、審判が力士に注意をしたりと、スリリングな場所で、飽きません。 砂かぶりは、土俵を取り囲むように、7列ありますが、NHKのテレビ中継に出演したければ、向正面の前3列目までがベストです。目立ちたければ、真紅のスーツ等をおめしください。多少の派手さでは埋没してしまいます。 思い切って、愛称 扇子おじさん(オリンピックの応援でも有名で、某ワイヤーメーカーの会長でとても偉いお方)のように紅白の衣装だと100%目立ちます。

    砂かぶり2

    土俵際

    序の口から幕下までの取り組みを見ていると、おもしろいことに気づきます。番付が上がるにつれて、行司の着物がだんだん豪華になり、力士の体つきが良くなってきます。

    ただ、番付に関わらず不変のことがあります。それは、土俵下の5人の審判です。序の口だから駆け出しの審判とか、横綱だからベテランの審判などということはなく、序の口であっても貴乃花審判長(元横綱貴乃花)がいたりして、番付にかかわらず、公平な審判をするという伝統なのでしょう。 審判は、5人一組になって、ローテーション制で順番に仕事をします。

     

    激闘の証

    土俵のひび割れ

    土俵は場所毎に新しく作り替えられますので、初日には、表面がツルツルの綺麗な土俵姿ですが、11日目ともなると、画像のようにあちこちにヒビが入ってきます。こうなると、呼び出しさんは、水で溶いた泥を割れ目にコーキングしたりと、メンテナンス作業に忙しくなります。土俵の脇には、予備俵も準備されており、不測の事態にも対応できる体制となっているようです。

     

    吊り屋根

    吊り屋根

    国技館内は、正面(画像では左側)、向正面(画像では右側)、西(画像では手前)、東(画像では奥)と4方向ありますが、画像は、西から吊り屋根を撮影したものです。吊り屋根は、土俵の真上に本屋根からつり下げられており、四隅から白色、赤色、青色(実際には緑色)、黒色の各房が垂れ下がっています。

    これらの房は、白房、赤房、青房および黒房と呼ばれており、土俵の四隅の直上にそれぞれ配されております。 昔は、吊り方式ではなく、太い四本の柱で屋根を支えておりましたが、柱が邪魔になって観覧席から土俵が見えにくいことや、力士が柱にぶつかりケガをする等の理由から、柱が取り外され、現在のような吊り方式に変わったという歴史的な経緯があります。

    これらの4本の柱の名残が、白房、赤房、青房および黒房です。 白房は、西方力士が入退場に使う西花道の方向を表し、西と向正面の境界線上に位置しています。この白房下で、西方力士は、力水を付けられたり、塩を取ったりします。

    対する赤房は、東方力士が入退場に使う東花道の方向を表し、東と向正面の境界線上に位置しています。この赤房下で、東方力士は、力水を付けられたり、塩を取ったりします。 黒房は西と正面との境界線上に、青房は東と正面との境界線上にそれぞれ位置しています。

     

    番付と照明との関係

    吊り屋根照明

    吊り屋根の内部には、画像のようにたくさんの電球が配設されており、番付が低いほど、点灯数が少なく、番付が上がる毎に段階的に点灯数が多くなります。 番付が低い取り組みを撮影すると、土俵上の照度が低いため、暗い画像となります。ホワイトバランスに注意して撮影しましょう。

     

    電光掲示板

    電光掲示板

    西と東の各二階席最前列部分に電光掲示板が設けられております。画像は、出番を待つ掲示板で点灯前の状態です。

     

    NHKラジオ放送席

    ラジオ放送席

    若いアナウンサーが幕下以下の取り組みを見ながら、ラジオ実況の練習をしていました。もちろん、放送はされませんが、このような地道な積み重ねがいつか実を結ぶのでしょう。

     

    NHKテレビカメラ

    テレビカメラ

    館内には、固定のテレビカメラが、正面、青房方向、黒房方向にそれぞれ設置されており、見るからに高そうな機材です。テレビ放送の開始は、一番早いBS放送が13:00からですので、それ以前の時間帯は、ラジオ放送と同様に、見習いカメラマンが序の口の取り組みを撮影し、機材の使い方を練習していました。

     

    1階ボックスシート

    ボックス席

    1Fの枡席のさらに外側には、画像のような円卓を囲むボックス席(昔のスナックかバーのような雰囲気)も用意されております。土俵からは、最も遠い位置にありますが、回転椅子に座りながら、飲食できるので、枡席よりも腰が楽です。 1階席の中では、最も高い位置にありますので、物見見物よろしくお殿様気分で相撲観覧を楽しむのもオツです。

     

    十両力士の土俵入り

    十両土俵入り

    14:30から木の音(拍子木)を合図に十両力士が花道から入場してきます。呼び出しに四股名、出身地および所属部屋を館内放送でアナウンスされる度に、一人づつ土俵に上がり、円陣を組むように、土俵を周回し、自分の立ち位置で土俵中央に向き直ります。

    人気がある力士には、歌舞伎の大向こうのように、四股名がかかります。ある意味、人気のバロメータということができます。 昭和前期の記録映像を見ると、昔の土俵入りは、全力士が一斉に土俵に上がり、すぐに円陣を組んでいたため、瞬間で土俵入りが終わっていたようです。 また、実際に肉眼で見ると、化粧回しの美しさに度肝を抜かれます。最新のハイビジョンテレビでもこればかりは無理でしょう。

    どすこいラジオ

    どすこいラジオ

    国技館では、2100円でラジオ(画像では梅茶づけの左側)を貸してくれます。このラジオでは、NHK放送、英語解説放送、どすこいラジオが聴けます。ちなみに、2100円のうち、2000円は、補償金で退館時に戻ってきます。残り100円は使用料で徴収されます。 一番のお奨めは、 なんといっても、どすこいラジオです。 2階席の黒房方向に設けられたミニFM放送局から放送され、持ち回りの親方と、女性アシスタントが担当します。

    ミニFM放送局といっても、観覧椅子席に簡易的に設けられたもので放送局とは名ばかりのものです。 どすこいラジオは、館内しか電波が届かないため、ぶっちゃけトーク全開で、放送というよりも、居酒屋で話しているような内容で、非常におもしろいです。これを聴かないと絶対に損をします。

    この日は、二十山親方(元栃乃花)、竹縄親方(元栃栄)に続き、武蔵丸親方(元武蔵丸)が武蔵川理事長コードぎりぎりのトークを展開していました。 また、どすこいラジオでは、クイズが出題されることがあり、正解がわかった場合には、2階のミニFM放送局に直接出向き、親方に答えを言うというシステムです。もちろん、放送中であっても親方に握手をしてもらえます。

    観客の中には、放送中にお菓子を差し入れし、お菓子を食べながらトークを展開する強者親方もいらっしゃいます。私は、このようなユルユル感がたまらなく好きです。 画像の「梅茶づけ」と「栃の花関のサイン入り写真」は、クイズの戦利品です。 元栃乃花と元栃栄は、平成21年1月31日に合同断髪式を両国国技館で行うそうです。

    お二人が同時に土俵に上がり、断髪式を行うとのことで、同時断髪は、実に、47年ぶりの珍しいことのようです。 私は、昨年、時津風親方(元時津海)の引退相撲に行って来ましたが、お祝いムードたっぷりで本場所よりもさらに華やかな雰囲気でした。

     

    引退相撲のプログラム

    ふれ太鼓 相撲甚句 初切 十両取組 髪結い実演 断髪式 櫓太鼓打分け実演 幕内取組 初切は、相撲の禁じ手を力士、行司がコントのように土俵上で展開する催し物で、回し蹴り、キック、水掛け攻撃等、なんでもありで、見ていて腹を抱えて笑えます。 取組は、横綱も出てきますが、いわゆる花相撲ですので、やや緩い感じとなりますが、これはこれで十分に楽しめます。

     

    両国国技館の見所

    両国国技館には、大相撲博物館や優勝関連展示場(天皇賜杯や内閣総理大臣杯が展示)もあるので、是非ご覧ください。

     

    ちゃんこ鍋

    1杯250円でちゃんこ鍋が食べられます。これは、絶品です。場所15日間のうち塩、しょうゆ、みそが5日間づつローテーションで作られます。 今日のちゃんこは、みそ味でした。特に、冬場は体が温まります。

     

    入待ち、出待ち

    若の里関

    横綱および大関以外の全力士は、国技館の正面横の通用門より入り、およそ100mほどの道路を歩いて、支度部屋へ向かいます。 この100m道路には、いまかいまかと相撲ファンが待ちかまえています。だいたい、5分おきくらいに、付け人を従えた関取(十両以上の力士)が次々と歩いてきます。土俵入りの2時間から1時間前には、入ってきます。

    画像左は、若の里関で、右が付け人です。若の里関は、大銀杏を結い、外套をおめしになっていますが、その下は、背中に「若の里」と大きく染め上げられた着物と帯で、履き物は、美しい雪駄に足袋です。 間近で見ると、大きいことはもとより、格式と伝統に日本の美しさを感じます。力士が女性にもてるのもうなずけます。 一方、付け人は、ちょんまげで外套はもちろん、足袋の使用も許されておりません、素足に下駄または雪駄です。

    雪駄もある一定以上の番付の力士にしかその使用が許されておりません。まさに、番付社会です。 通用門から力士が入ってくると、ファンから歓声があがり、声援が向けられます。もちろん、人気の高見盛関も100m道路を通ります。

     

    マナーについて

    数年前までは、ファンのマナーも良く、規制が無かったのですが、マナー違反が目立つようになり、昨年の9月場所からは、警備員が複数配置され、コーンで規制されるようになりました。 マナー違反は、力士の進路を妨害したり、体をたたいたり、サインを求めたりする行為を指します。 入りは、各力士が取り組みに向けて、精神を集中させながら歩いている訳ですから、そっと見守る程度にとどめておきたいものです。

    また、力士の中には、ゲンかつぎで、立ち止まらない、まっすぐ直進する等を実行している力士もいらっしゃいますので、そこで、サインを求めたりする行為は、まさに禁じ手です。

    サインをもらう方法

    入り待ちのマナーについて述べましたが、今度は、出待ちについてご紹介いたしましょう。力士は、取り組みが終わると風呂に入り、浴衣姿で国技館から出てきます。取組が終わって、15分程度で出てきます。 どの出口から出てくるかは、力士毎に様々ですが必ず通用門を通りますので、この付近にいれば確実にお目当ての力士に出会えます。

    出待ちは、入り待ちと違って、人も少なく、力士は、緊張から解放されているため、サインや、談笑、一緒に写真撮影に気軽に応じてくれる場合がほとんどです。 色紙は、白色紙でも良いのですが、国技館の売り場に力士の似顔絵色紙が販売されていますので、それにサインしてもらうと記念になります。 筆は、マジックよりも筆ペンのほうが雰囲気が出ます。

    幕の内土俵入り

    幕内土俵入り

    15:50から幕の内の土俵入りです。所作は、十両の土俵入りと同じですが、土俵上の照度が違います。十両土俵入りの画像と比べてください。かなり、明るくなっています。吊り屋根の照明がフル点灯した状態です。

    幕内力士ともなれば、体の張り、雰囲気が別モノとなります。 また、館内は満員状態で熱気と歓声で息苦しさを感じます。 ここからは、あっという間に時間が経過しますので、土俵に集中しましょう。

     

    東方 横綱白鵬 土俵入り

    横綱白鵬土俵入り

    横綱土俵入りは、大相撲の華です。 不知火型の土俵入り。

     

    西方 横綱朝青龍 土俵入り

    横綱朝青龍土俵入り

    昨年の9月場所は休場で見られなかった朝青龍の雲竜型の土俵入りです。 やはり、二人横綱が揃うと場所が盛り上がります。 そして、休憩をはさんで幕内の取り組みが開始され、勝ち負けに一喜一憂しつつボルテージがどんどん上がってきます。 結び前の一番と、結びの一番は、もちろん両横綱が登場します。

    ここで、横綱が負ければ、館内に座布団が舞い、お約束の「危険ですから座布団を投げないようにお願いいたします」という館内アナウンス。 私は、これを楽しみに毎回行くのですが、今までは、2回しか経験がありません。 本日は、残念ながら? 両横綱は白星。 後かたづけして、枡席からエントランスへ移動しますが、人また人の民族大移動です。

     

    この方にもお会いできます

    扇子応援団長

    気さくに写真をご一緒してくださいます。超有名人です。 売店には、この方の切手も販売されています。

     

    相撲甚句

    相撲甚句

    エントランスには、相撲甚句の同好会の皆様が、その美声で相撲甚句をご披露されています。 江戸の情緒がたっぷりな相撲甚句を遠くに聞きながら、国技館の正面入り口を出ます。

     

    ハネ太鼓

    ハネ太鼓

    外はすでに真っ暗で、櫓からハネ太鼓が鳴り響いています。 ハネ太鼓に見送られながら、バラバラと国技館を後にする観客。 また飲み直すのも良し。 ちゃんこ屋で相撲の続きを味わうのもまた良し。 このときの気分は最高です。

    はたして優勝の行方はいかに。1月25日が千秋楽です。 次回の東京場所は、5月です。

    Good music!

    ブログを始めました

    木曜日, 1月 22nd, 2009
    こんにちは、真空管専門店  ヴィンテージサウンド 代表の佐々木です。 

    今日からブログを始めました。思いつくままに真空管ライフを書き綴ってゆきたいと思います。

    今日のBGM

    • ジャンル   JAZZ アーティスト 
    • MILES DAVIS(マイルス デヴィス)
    • タイトル    Kind of Blue

    今日の真空管

    これらの真空管でBGMを実際に聴きながら書いています。

    • パワー管  KT77 GOLD LION マッチドクワッド4本
    • プリ管    12AU7 RCA クリアトップ/サイドゲッター マッチドクワッド4本

    KT77 GOLD LION

    KT77 GOLD LION KT77は、EL34と互換性があり、玄人受けするサウンドに定評があるにも かかわらず、 知名度がかなり低い真空管です。

    その訳はというと、当時、EL34との販売競争に敗れたという歴史的背景があります。

    EL34は、Philips社が総力を挙げて開発した5極出力管で、その強力な販売網をもって、世界の蒼々たる真空管アンプメーカーに次々と採用されてゆきました。 この様子を見ていた英国GEC社は、Philips社にライバル心を燃やし、EL34の対抗馬 として世に送り出したのがKT77です。 英国GEC社は、高級路線でKT77を販売する戦略に打って出ました。 機能重視で真空管の外観が極めて簡素なEL34に比して、KT77は上品な雰囲気が漂う外観を備え持ち世にデビューしました。

    ところが、真空管マーケットでは、価格面で有利なEL34が支持され、ついにKT77は、さほど普及することなくその製品としての一生を静かに終えることになりました。 いわば、KT77は、普及する前に終わった悲劇の真空管で、知る人ぞ知る真空管 と言うことができます。

    ここで、今聴いているKT77 GOLD LIONは、昨年、Ganalexブランドで復刻された真空管で、今年に入ってから販売数をジワリジワリとのばしています。

    外観スペックをご紹介すると。

    • 管全高 109mm
    • 管実効高 96mm(ハカマ下面〜管頂面)
    • ガラス部径 32mm
    • ハカマ径 32mm
    • ハカマ色 明るいブラウン
    • ガラス部プリント 「KT77 GOLD LION」ロゴ ゴールド
    • ハカマ部プリント 「Genalex MADE IN RUSSIA」ロゴ 白ヌキ
    • ゲッター形状 段付円環
    • ゲッター位置 管頂部
    • プレート形状 穴無し断面コ字 張り合わせスポット溶接  
    • 箱サイズ 44×44×122mm

    画像からわかるように、見た感じは、「上品」の一言に尽きます。 まさに「真空管美」とはこのことです。

     

    試聴レポート

    今は、KT77 GOLD LIONからMILES DAVISが流れていますが、一言で表現するならば KT77は、 EL34が持つフェザーのようなスムースさに、力強さが加わったサウンドです。

    「パワー感に溢れ、繊細」・・・こんな感じの言葉がぴったりです。

    特に、2曲目の「FREDDIE FREELOADER」では、トランペットの張り出し感、ベースのズンズン響く低音が耳に心地よく、楽器構成の立体感が伝わってきます。まるで、スピーカーを通してジャズメン達が見えるようです。

    3曲目の「BLUE IN GREEN」では、ピアノのアタック感がもう少し出ればと思いましたが、 他の要素が十分にカバーしてくれます。 EL34に飽きた方は、ぜひKT77をお試しください。

    今日は、これを書き終えて仕事終了です。

    明日は、両国国技館で相撲観戦です。 もちろん、ブログにアップしますのでお楽しみに。

    Good music !