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実聴できます! 真空管交換レポートVol.12 >>> victoria編 by bloom field 平松

実聴できます! 真空管交換レポートVol.12 >>> victoria編 by bloom field 平松永吉様 

こんにちは、真空管専門店 ヴィンテージサウンド 代表の佐々木です。

第3回 バンド応援プロジェクトで真空管をご提供させていただいたbloom fieldのギタリスト平松永吉 様より、真空管交換レポートをいただきましたので、ご紹介いたします。

※本レポートは、早期にいただいていたのですが、HPへのアップが遅れましたことをお詫びいたします。

bloom field


松下隆也様(Ds) 平松永吉様 (Vo,Gu) 山根正誉様(Ba)

【アンプの基本データ】
[ ギターアンプメーカ・型番 ] victoria
[ パワー管の型番・ブランド・本数 ] 5881 TUNG-SOL 2本マッチ 中パワー 真空管MX22
[ プリ管の型番・ブランド・本数 ] 12AX7 TUNG-SOL 3本マッチ 高ゲイン 真空管MX13
[ 整流管の型番・ブランド・本数 ] 5AR4/GZ34 JJ 1本双極マッチ 真空管MX39
[ 対象ジャンル ] ロック  ブルース  その他  
[ 現状の音で気になる点 ]
この企画を知る半月ほど前に真空管を変えました・・・(笑)

エージングが新しいものでは音質がやはり堅い印象がありました。

一度出来るならばしてみたかった、エージングの体験をさせてください。



[ 目指したい理想サウンド ]
ピッキンッグが素直に出るサウンド。

今までのものも十分すぎるほどあるんですが、それ以上の奥行きのあるローとハイ。ツヤ感。持ち上がるね撥強さ。



平松様は、弊社のバイアスフリークラブの会員様で、直接お電話にて、お話させていただき、希望サウンドを十分に伺った上で、私が厳選した真空管一式を発送いたしました。

bloom field 平松永吉様の真空管交換レポート

それから、平松様からのレポートが届きました。

組み合わせ全パターンの音源を実聴することができます!

是非、平松様の演奏から真空管の違いを聴き比べてみてください。

 

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bloom field 平松永吉による真空管交換レポート

皆さまはじめまして。bloom fieldのvo.g平松永吉です。

この度はヴィンテージサウンド様のバンド応援プロジェクトという、我々にとっては神様からの贈り物のようなイベントに参加させていただきました。この機会に真空管の面白さを少しでも吸収してやろうと思って参加、検証いたしました。

それでは早速ですが真空管交換による検証の結果をレポートさせていただきたいと思います。

私は元々ヴィンテージサウンド様のユーザーであることもありトーンの違いの他、以前より購入して使わせていただいている真空管【マスタークラス】と、今回提供していただきます【プレミアムクラス】の真空管の違いについても比較検証できるので楽しみでもあります。

パワー管のバイアス調整についてはすでに「ヴィンテージサウンド:バイアスフリークラブ」に加入しているので調整不要で行いました。

バイアスフリークラブ詳細についてはこちら

[現状の時点で気になる点]

ヴィンテージサウンドのユーザーになってから一年ほどになります。
最初、これほどまでに真空管によってアンプのレンジの広がりや音の張り、音質が変化するのか!?というほど、真空管の変化によるサウンドの違いを実際に体験させていただき驚いていたのですが、正直まだほんの少し納得のいくものではありませんでした。

というよりは、ヴィンテージサウンドの真空管を使うことにより、よりそのアンプの本来の音が引き出されるようになり、さらに音質に対する欲が出てきたといってもいいと思います。

検証の約ひと月前に新しく真空管を入れ替えたばかりだったのですが(笑)、まだ変えたばかりだからなのか音が堅く若干平面的な印象を感じました。その際に使用した真空管は

[ パワー管の型番 ] 5881 TUNG-SOL 2本マッチ 中パワー 真空管MX22
[ プリ管の型番 ] 12AX7 TUNG-SOL 3本マッチ 高ゲイン 真空管MX13
[ 整流管の型番 ] 5AR4/GZ34 JJ 1本双極マッチ 真空管MX39

です。この時点で十分な音の張りと音圧はあったのですが、トーンのレンジやニュアンス、奥行き(全体的にイメージより狭苦しい)感が気になっていました。アンプをフルアップしていくと、特に高域がペチペチとクリップする感じがありました。
ちなみに使用しているアンプは「victoria super 35210」です。これはFENDERの「TWEED SUPER」のレプリカモデルにあたります。

アンプ内部(スピーカーはtone tubbyに変更しています)

 

 


正式なチューブチャートは以下
プリ部  12AX7×2 5751×1
パワー部 5881×2
整流部  5AR4×1

Victoria HP

使用ギターは「wade ストラトキャスターモデル(スワンプアッシュ)」です

Wade guitars HP

 

【今回要望した点】

そこで今回、「よりピッキングニュアンスが素直に出て、ローレンジの奥行きとハイのきらびやかさ出せないものか」という点と、もう一点は「アンプをひずませた際に腰折れせずに持ち上がる粘り強さ」をお願いしました。あと、これは当方の予算的なこともありマスタークラスを毎回購入していたのですがプレミアムクラスのエージング力を体験させて欲しいと要望いたしました。


そこでヴィンテージサウンド佐々木様から以下の真空管が送られてきました。

[ パワー管の型番 ]
KT66 TUNG-SOL 2本マッチ 中パワー 真空管PX22 【左】
KT66 GOLD LION 2本マッチ 中パワー 真空管PX22 【右】

 

 

 


5751 EHゴールド 1本完全双極マッチ 真空管PG17(写真はなし)
(5751は本来のチューブチャート通りに駆動させるための予備として:ゲインダウンの効果)

[ 整流管の型番 ] 5AR4/GZ34 Sovtek 1本双極マッチ 真空管PX39(写真はなし)

ここで注目していただきたいのが、パワー管に「KT66」と言う聞きなれない管が送られてきたことです。
これは6L6/5881の互換球に当たり、よりパワー感と奥行きが出る管なのだそうです。

電話にて相談させていただいた際、佐々木様の仮説では(熟知している佐々木様には失礼な言い方ですが・・・)KT66を使用することにより、より歪みの粘りや、トーンの奥行きが出るのではないかと言うことでした。
KT66を使用する際の注意点といたしまして(とにかく馬鹿デカイ!!手榴弾のよう)真空管のソケットの中心点から隣のソケットの中心点までが53mm以上ないと使用できないとのことです。当方は70mmほどあったので余裕を持って使用できました。

検証は元々使用していた真空管を含め、パワー管3種類、プリ管4種類(今回5751は除く)を12パターンと、ベストバランスと考えた真空管コンビのみ整流管を交換の計13パターンを検証いたしました(長かった・・・)

5881 TUNG-SOL 2本マッチ 中パワー 真空管MX22装着時

KT66 TUNG-SOL 2本マッチ 中パワー 真空管PX22装着時

KT66 GOLD LION 2本マッチ 中パワー 真空管PX22装着時

 

「検証の際のアンプの設定」
ボリューム7
トレブル8
バス4
プレゼンス4

 

真空管は電源を入れてから5分というインターバルを置いて演奏を開始。

※ただし今回の検証での感想ですが、すべての真空管が安定した音を発揮するのに20分ほどかかると思いました。明らかにハイの張り、きらびやかさに影響が出てきます。

※ちなみに、今回本当に採用したかった方法は「リアンプ」と言う方式で、ギターフレーズをあらかじめラインREC【電気信号のみ】しておいて、そのテイクを再生してアンプに送り込むと言う方法を使いたかったのですが、なぜか今回ノイズが乗ってしまい、リアンプ方式を断念しました。
リアンプ方式では検証の際に常に同じニュアンス、フレーズで検証を行うことで、より客観的で科学的に検証できると思います。
今回は出来る限り同じフレーズ同じニュアンスで試奏しております。

 

 

パワー管 (2本)

5881 TUNG-SOL 2本マッチ 中パワー 真空管MX22

KT66 TUNG-SOL 2本マッチ 中パワー 真空管PX22

KT66 GOLD LION 2本マッチ 中パワー 真空管PX22

プリ管(3本)

12AX7 TUNG-SOL 3本マッチ 中ゲイン 真空管MX12

この組み合わせを基準として比較していきます

MP3で試聴
WAVで試聴(高音質)

ハイからローまでのバランスが良い。高域に独特の腰折れ感というかプリッとした感じがある。【歪】他のプリ管と比較してブーストさせてもそれほどドライブしない。歪のドットが荒く少し軽い。

MP3で試聴
WAVで試聴(高音質)

 

非常に奥行きと張りがある。ローからハイエンドまでバランス良し。音に重さがある。

MP3で試聴
WAVで試聴(高音質)

ECC803S TUNG-SOL 3本マッチ 高ゲイン 真空管PX13

全体的な張りときらびやかさがアップ。少しフラットな特性【歪】少しローエンドが重く荒い

MP3で試聴
WAVで試聴(高音質)

ハイがきらびやかで張りが強い。他のプリ管と比較して上品でゲインが多少、少ない感じ。ローレンジのオラオラ感がない。カッティング等に合いそう。【歪】非常に切れがよく歪のノリがきめ細やか。多少ドンシャリ。

MP3で試聴
WAVで試聴(高音質)

 

高域の切れが抜群!KT66 TUNG-SOLと比較して、ハイが強く感じない。ローエンドが非常にふくよか【歪】ブーミーになりすぎず全レンジがきれいに歪む。歪みのドットがきめ細かい。クリーンも歪みも多少ドンシャリ

MP3で試聴
WAVで試聴(高音質)

12AX7 Mullard      3本マッチ 高ゲイン 真空管PX13

音の立体感粒立ちのリアルさが非常に良い。広域の張りがあるせいか聴感上大きく聞こえる。【歪】荒々しくイカツイ、レンジも広い図太い。

MP3で試聴
WAVで試聴(高音質)

全レンジが非常に前に出てパワフル。コード感もゴージャスで奥行きが出る。【歪】非常に張りがあり、若干荒々しい。

MP3で試聴
WAVで試聴(高音質)

GOLD LIONの持つレンジ再現力とMullardの中域の荒々しさがぶつかっている。荒々しさが非常にリアルでキャパオーバーな感じである(少しペチペチとクリップした感じ)【歪】ロー〜ミドルが強調されブーミーな感じ。

MP3で試聴
WAVで試聴(高音質)

 

12AX7 Ei (vintage)    3本マッチ高ゲイン

ローエンドに奥行きが出る(ハイが少し削れているためでもある)。5881 TUNG-SOL との組み合わせでは一番リッチ。【歪】バランスが良い。

MP3で試聴
WAVで試聴(高音質)

5881 TUNG-SOLに比べて明らかにローエンドに奥行きがある。バランス比重が変わったためか非常にぬくもりと太さがある。クランチにすると如実。【歪】輪郭が前に出て、コードの分離感良し。

MP3で試聴
WAVで試聴(高音質)

 

全体的なバランスが良い。ローエンドに奥行きもあり非常に引き締まっている。ブーミーすぎないに比べて若干中域に集まっている。【歪】バランス、切れがよく、程よく暴れる。少しブーミーでローが出てくる。(管が温まると少しハイが上がる)

MP3で試聴
WAVで試聴(高音質)

 

以上の検証結果から

1位:
2位:(正直1位にするか迷いました・・・)
3位:─↓

[ パワー管の型番 ]
KT66 GOLD LION 2本マッチ 中パワー 真空管PX22

[ プリ管の型番 ]
ECC803S TUNG-SOL 3本マッチ 高ゲイン 真空管PX13

[ 整流管の型番 ]
5AR4/GZ34 Sovtek 1本双極マッチ 真空管PX39

を今回は提供していただこうと思います。正直以外な結果でした。

【整流管の検証】

それにあわせて整流管をtrack「5AR4 Sovtek 1本双極マッチ 真空管PX39」(提供していただいたもの)
track「5AR4/GZ34 JJ 1本双極マッチ 真空管MX39」(以前より購入して使っていたもの)で比較してみました。

非常にざっくりとした感想ですが、以下のような印象でした。

「5AR4 Sovtek 1本双極マッチ 真空管PX39」は非常にハイに張りが出る(若干耳障りで硬い)、音のレンジが硬質ではあるが広がりがでる。ロックで荒々しい印象。
「5AR4 JJ 1本双極マッチ 真空管MX39」は相対的にみると、若干奥ごもったようなサウンドです。捕らえ方によれば温かみのあるまとまりのあるサウンドでした。

【プリ管・パワー管 選択の理由】

プリ管「ECC803S TUNG-SOL 3本マッチ 高ゲイン 真空管PX13」
まずプリ管は試奏した中では一番インパクトがなく面白みがないというか、目立つキャラがないフラットなイメージの管でした。特筆すべき良い点はハイのクリアーな感じと中高域の切れのよさです。これはクリーン、ドライブ両方に共通して言えると思います。カッティング等のプレイスタイルの方にお似合いな気がしました(自分はまったく逆の泥臭い重ためなニールヤング的スタイルだと思います)

パワー管「KT66 GOLD LION 2本マッチ 中パワー 真空管PX22」
こちらは3つの中で差し替えたときに笑ってしまうほど如実でした。音の温かみ、奥行き、トーンレンジの広さ、再現力、どれをとっても明らかに優れていました。

○プリ管のフラットで引き締まった印象の音を、重み(存在感)があって奥行きのあるパワー管が限界までみっちり引き出す印象があったので自分に一番あっていると考えました。

※一瞬弾いていて気持ちよかったのは「KT66 GOLD LION × 12AX7 EI (vintage)」のコンビとも思いましたが(単音に限り)、自分のプレイスタイルと照らし合わせて、以上の結果としました。(上記のイメージでいくときめ細やかでローからハイまで鳴るプリ管12AX7 EI (vintage)を、パワー管KT66 GOLD LIONがゴージャスに持ち上げすぎて若干音の輪郭がつぶれている印象がありました:ボリュームを上げすぎているのもあります)

(検証を終えて・・)

今回検証を終えての感想を述べさせていただくとすれば、まず何よりも「バランス」に尽きると思いました。
それが体験できたと言うことは本当に貴重なものだと思います。
これはもちろんパワー管、プリ管の相性バランスも然り、そのプレイヤーそれぞれのスタイルとのバランスも考慮して真空管を選んでいくと、より自分のイメージに合った世界が見えてくるのではないかと思いました。

主観ではありますが、単純にプリ管だけを見ると・・・

「12AX7 Mullard」→ 非常に迫力があり図太さやロック感があります。とにかくゴージャスで歪が太い。リードを主にするギターなんかに向くのではないかな。

「12AX7 EI」→すべてのレンジが気持ちよくなり温かみや再現力もあります。音のキメも非常に細やか。こちらもリードギターやギターのボリュームをコマ目にいじる人向け。

むしろ今回選んだ
「ECC803S TUNG-SOL」→相対的にですが多少線が細く特性もオーディオ的な印象でフラットな感じ。悪く言えば物足りない感じでした。カッティングやコード弾きの印象。

パワー管もそれだけを見ると・・・

「KT66 GOLD LION」→全レンジ(どちらかと言えばローミッドよりですが)にガッツを与える感じと、全体の奥行きが出て、むしろリバーブ感を感じるほどです。音の再現力が抜群。「プリ管の特性を多少ローよりにガッツをつけて出す印象」

「KT66 TUNG-SOL」→全体的にフラットな特性のまんまゲインと再現力が上がる感でした。奥行きは5881に比べてダントツに出ます。「プリ管の特性を素直に出す印象」

当方のアンプ「victoria」はFender Tweedのコピーモデルと言うこともあって、非常に図太い中域と鈴鳴り感のある高域が特徴的なので、その本来備わっているアンプの特長を真空管の特性とぶつけすぎないようなチョイスになったと思います。サンプル音源を聞いていただいてもわかりますとおり(スイマセン!!しょ〜じきあんまりわかりませんよね(笑)なかなかレコーディングで聞き分けるのは難しいです・・・ちなみに現場では笑うほど良くわかります)、リードギターを主にするプレイスタイルではなくコード感を主に考えたギターボーカル的なスタイルであることもあり、ジャカジャカ弾くので全体に幅広くレンジが広がっているほうがよく鳴っています。

◎結果、ヴィンテージサウンド佐々木様の仮説どおりパワー管「KT66」のレンジの広さがこのアンプにはバッチリはまったようでした。まるでアンプのキャビネットが2、3回り大きくなったのではないかと錯覚するほどです。
歪みのノリ感、空間系エフェクトの再現感も抜群です。

プリ管に関しても、こちらの要望とお勧め管を本当にたくさんご用意していただきありがとうございました。
お蔭様で理想とするサウンドを見つける他に、プリ管とパワー管の相性を感覚的に教えていただきました。

今回体験させていただいた検証によって、自分のプレイヤーとしての特徴も見直せたものとなりました。
本当にありがとうございました。

非常に長々とまとまりのないレポートになりましたが、以上で検証レポートとさせていただいます。

bloom field 平松永吉

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平松様、非常に論理的な検証方法で、しかも、各組み合わせの音源まで制作いただき、他にはない特徴的なレポートをいただきありがとうございました。

この場を借りてお礼申し上げます。

 

Good Music!

2011.11.17

 

(c) 2011 VINTAGE SOUND

 

 

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